現実逃避
現実逃避ほど大切なものは無いとつくづく思います。
多くの大人は多かれ少なかれ何かを諦めているので「現実を見ろ!」と口にします。
しかし諦めず理想を追い続ける人は何も夢ばかり見てる訳じゃない。
現実の自分を直視すればそれが耐えがたいほどに無力な事もまた知っているのです。
(最も、自分に能力があると勘違いした時から転落が始まるのが人間の悲しき性です。)
人間は誰しも自分が可愛い。そんな自分が無能だという現実と正面から向き合い続けるのは辛い。
「愛しかないのに、人生の全てを賭けたのに、何故、自分はこんなに無能なんだろう。」
プロがこの悲しみから逃れられる日はきっと来ないでしょう。
何故ならその悲しみ故に人は謙虚さと向上心を保てるからです。
自己満足で許された頃が懐かしい。
でもあの頃に戻りたいとは思わない。
自由よりも使命感によって人は輝けるのです。
趣味が徐々に仕事に変わり、プレッシャーと比例してメロウは酒が増えました。
しばらくは焼酎ボトルを毎晩のように飲み干していたものです。
現実という名の絶望と向き合うには近所にコンビニさえあればいい。
絶望は決して終わらない。
だからそれに慣れ、笑い飛ばすしかないのです。
所詮は仕事上の絶望なんて、人の生死とか家庭崩壊とかに比べたら屁以下ですよ。
絶望と向き合う為に、現実逃避ほど大切なものはありません。
堂々と胸を張って現実逃避しましょう。