メロウの日記

音楽家の端くれです

会議

会議の九割は不必要です。

メロウは今日、全力で走って会議に向かい、五分遅刻しました。その五分の遅刻を正当化し、納得してもらうには汗だくになる必要がありました。そんな汗だくのメロウにクライアントは同情して、団扇を準備してくれました。 五分の遅刻を無かったことにできたのでメロウはホッと胸を撫で下ろしました。

人と仕事をするとはそういう事です。下らない。

会議の内容よりも、話し合ったという既成事実が大切なので、今日も全国各地で無駄な会議が繰り広げられております。

日本社会はクオリティーよりも筋を通す事が大事。

いつもメロウはそんな組織に辟易としています。

しかしそんな下らないヤツの意見を粗末に扱い、プライドを踏みにじるような態度を取れば本気で叩き潰されるから仕方がない。笑顔の下でいつでも牙を剥いているのがクライアントという連中なのです。

大した意見なんて無いくせに、金を出してるからというただそれだけの理由で無駄に意見を言いたがる連中の顔色を伺わなくてはいけない。

他の事に使った方がよっぽどポジティブで生産的なエネルギーが今日も会議で無駄に消費され、しかしそのエネルギーが必ずしも無駄とは言い切れない現状に、社会の、人間の、本質的な不器用さを痛感します。

そしてそこをバカらしく思いながら独立する度胸のないメロウも同じく下らない。

せめて無駄な会議より家族サービスの方が重んじられる日本になる事を祈りつつ。

つんくさん

つんくさん、お疲れ様です。

歌手としての人生を終えても貴方にはまだまだやるべき事がある。むしろこれからの方が。

大事なものを失っても人生は続く。残酷に続いてゆく人生を肯定しながら生きるのはなかなかに疲れるものです。

つんくさんは歌以外にも沢山の技術を持っている。

そしてそれ以上に、人間の感情という悪魔と真摯に向き合い続けた人です。

(そこと向き合わずに狙ったヒットは生み出せません。偶発的なヒットならいざ知らず。)

だから、歌以外の技術を更に磨き、声を失った歌手として尚一層の存在感を得る事は間違いないでしょう。

メシを食う為に必要なのは、技術か、気持ちか。

これは本当に難しい問題です。

つんくさんのように技術も気持ちも両方を兼ね備えた人はどうにでもなります。

(ただしそれは決して「才能」の一言で片付けちゃいけません。本人の血反吐を吐くような努力無しに決してそのレベルまで辿り着けないのです。)

メロウは技術も気持ちもすごく中途半端。

なので、日々をどう過ごすか=技術と気持ちのどちらを磨くべきかを常に自問自答しています。

技術を磨くのは楽じゃない。

目に見える成長はモチベーションに繋がるけれど、それよりもずっと多くのエネルギーを要するのが、技術を維持する為の地味な努力なのです。

気持ちを磨くのも楽じゃない。

人間は基本的に傲慢だからです。傲慢さには色々な種類があるので、何が傲慢か、当人は全く気付いてない事がほとんどです。しかしそれは人の力を借りてでも、無理にでも直視しないといけない。人間は死ぬまで他人の価値観で評価され続けるから。そこから逃れるには、無人島に引っ越すしかない。だから、傲慢さが命取りになるのです。

地味な努力を怠らず、傲慢さを棄てる。

そんな事、普通の人には不可能です。

だから、つんくさんくらいの人が声を失ったところで、それは大した問題ではないのです。

酒に溺れるヤツは最低です。

しかしそれをメロウが言えば周りの全員から「お前が言うな!」と突っ込まれます。

メロウはお酒が大好きで、酒で数え切れないほど失敗し、様々な失態を犯してきました。道端で吐いてるオッサンを見ると、ああはなりたくないと思いながらも50歩100歩なメロウです。

なので今日はその言い訳を。

メロウはプロの端くれなので、結果を出さなければ一瞬でクビを切られます。

誰も守ってくれません。

自分の役割を果たす事に関しては100%全責任を負わなくてはいけない。

足を突っ込んだのは自分なんだもの自業自得だろうって思いながら、しかしそれをまともに受け入れられるほどメロウは強くない。

24時間そのプレッシャーとまともに向き合うのはメロウには無理でした。

アマチュアのうちはまだ甘えが許される。

むしろアマチュアだからこそ、リラックスして愛に溢れた仕事が出来るものです。

しかしプロとして重大な案件と向き合った時、プレッシャーで吐きそうな状態で何かを愛する余裕はなかなか持てません。

一流が一流たる所以は、きっとプレッシャーに折れずシビアに結果を出しながらもリラックスしている事なのです。

心も身体もガチガチに凝り固まった三流のメロウは、だから夜くらいはせめて心身をリラックスさせる為に酒の力を借りるのです。

むしろ酒を飲みながらすると凄くはかどる仕事もあるのでオススメです。

常々思うのだけど、世の中には酒を飲みながらやった方が生産性の高まる仕事はかなり多い。

剥き出しの欲望や隠したい本音を表に出してこそ気付かなかった発見があるし、苦痛な単純作業なんかは飲みながらやれば楽しくなる。

でも酒飲んで仕事するだけでめっちゃ怒られるんだもの、本質より建前が重んじられる社会に適合するだけでホント大変です。だからいつも内緒で飲んでます。

世界と、社会と、まともに向き合ったら命がいくつあっても足りません。

だからメロウは、重大な案件の前日だろうが、いつも通りに飲むのです。

弱さ

国会議員のサボりが叩かれてますね〜。

叩かれるのも仕方ないと苦笑しつつ、何かと理由をつけて多くの人が一斉に個人を叩く現象にはいつも辟易とします。

特に公務員が叩かれる場合「人が必死で働いて納めた税金を何だと思ってるんだ!」ってステレオタイプな怒号があちらこちらから聞こえてくるもので。

まぁ気持ちはわかるんですけど、ちょっとこの国の人たちは頑張って働き過ぎなんです。疲れてストレスを溜めればそのストレスは自ずと他人叩きに向くもので。

「若者が働かなくなったらこの国はお終い」でしょうか?

メロウは全然そんな事を思わない。

働く=対価を得るための苦痛な労働としか思えない若者が増えるくらいならニートが増えた方がよっぽどいい。

ニートは何が素晴らしいって、年寄りが平均3500万円を遺してあの世にいってしまうタンス貯金をちゃんと社会に放出してくれる事。

働いても働いてもロクな金を得られないくらいなら、親の金を図太く使って自由に生きるという選択は全然アリだと思います。

 今の時代は金以外の事に全エネルギーを注げるような人こそが大事だと思うし、その信念でメロウも何とか生きてます。

人に迷惑をかけないで生きられる人は立派です。

自分の足でしっかり立って生活している人は立派です。

当たり前の事を当たり前のように出来る人は本当に素晴らしい。

しかしこの疲弊し切った日本社会で当たり前をキープするのは容易ではありません。

そのストレスがもし他人叩きに繋がるならば、そんな疲れる事はさっさとやめてゴミみたいに生きる事をメロウはオススメします。

まぁあの国会議員がクソだってのは認めざるを得ないですけどね。

上下関係

何かを愛すれば愛するほど、その愛を利用されるのがこの世の常です。

人間は、本人が意図しようと無意識だろうと、生きる為に上下関係という名の監獄から逃れられません。

人は自分の役に立つ誰かを残酷に利用し、時には下僕を扱うように抑圧します。

人の不器用な愛情を利用して、どれだけマネーを搾り取るかが勝負って人が、世の中にはかなり多い。

バーカ。アーホ。地獄に堕ちろ。

家族を養わないといけない?正社員だから当然もらうべき?

そんな当たり前の幸せを享受して当然だと思ってる連中を支える為に搾取され、働いても働いてもロクな給料がもらえない、ブラック企業の方が100倍マシな境遇に喘ぐピュアな若者が、この世には掃いて捨てるほど居ることを少しは知るが良い。

そして、その純情な感情を都合よく利用してポイと棄てるような事を、自分は特権階級だから当たり前だと思っていたら、間違いなくいつか刺されるでしょう。

まぁ多くの場合、汚れ仕事には汚れ仕事の専門家が居るものなので、見えない物を覆ってもらっている環境があるのはラッキーです。

ただ、これだけは言っておく。誰も刺さなければメロウが刺すよ。ナイフじゃなくて仕事で。

この世には、正しく美しい事に命を賭ける人間が、思いの外、ものすごく多いのです。

そのパッションを日々感じているメロウなので、当たり前のように既得権益を享受する連中にはもうすぐ天罰が下る事が、既に分かりきっているのです。

フリーターを中傷し、鼻で笑いながら搾取してきた連中が逆に失笑される日は近い。

これからは物事をフラットに評価できる人だけが生き残るでしょう。

とは言え、これまでの価値観が崩壊し、再定義しなくてはいけない日は、近いようで遠いような気もします。

日本人は、ものすごく保守的な国民だから。

せめて地道に行動しながら、その時を待ちましょう。

曇りなき眼さえあれば、格差社会の本格到来なんて全然怖くないのです。

比較

残念ながら人間は比べたがる生き物です。

みんな違っていいのです。多様性は大事です。出来ることと出来ないことがみんな違うから素晴らしいのです。

ただ、残念ながら人は比較されることからは決して逃れられない。

ほとんどの判断は比較を必要とします。

比較するから妥協できる一方で、比較するからもっと上を目指せます。

比較対象が無いと人はなかなか何かを判断出来ません。

しかしメロウは人から比較されるのが本当に本当に死ぬほど大嫌い。

プロの宿命とはいえ、比較される事で、何十回も愛を踏みにじられる気分になってきました。

自分勝手に自分の価値観でクオリティを高める努力をするのは苦痛じゃないのです。

しかし人から比較されるのが、恥ずかしながらプロになっても本当に耐えられない。

ピュアなハートを弄ばれるのが嫌なら、適当な価値観で比べられる事に吐き気がするなら、全てを超越して一流になるしかないのです。

しかし一方、世間から脚光を浴びていようがプロと呼ぶに値しない低レベルな連中も数多く存在します。

「何でこんなヤツが!」

今日も何万人という夢半ばの若者が絡み酒やヤケ酒に溺れます。

自分より何が優れているかもわからない連中とひたすら自分を比べ、無駄に落ち込み続けるのです。

貴方は何と比べて何が優れてるから何を選択しますか?

比較なんて始めたらキリがない。

世の中には選択する事が多すぎて時間ばかりを浪費する。

ならば、もう比較なんてやめた方がいいとメロウは心から思うのです。

自分と他人を比較する事は全てにおいて不毛です。

人を比べるような連中に遭遇したら「可哀想なヤツ。ふぅ。」くらいに思っていればいいのです。

そして魂が揺さぶられる経験や、エネルギーを200%注げる環境、その手に掴んでおきたい最小限のものの為に大切な人生を費すべきだとメロウは信じています。

変化

人間そう簡単に変わりません。

変わったように見えるのは単なる表面上の立ち振る舞いだけでしょう。

メロウは理屈っぽくて頑固な自分が大嫌いで、そんな自分を棄てようと躍起になった時期がある。

俺なんか所詮は単純バカですよ~って周りのニーズに応えて必死で思い込もうとしていた時期がある。

いや、メロウより賢い人が世の中に星の数ほど居る事ぐらいは分かっているので、そんな人たちから見れば、ウンチクを長文で垂れ流してるメロウは「こいつバカだ。そして話が長い。」で終わる面倒なバカです。

単純バカは愛されるけど面倒なバカは全力で敬遠されます、悲しきかな。

単純バカはバカにされながら愛される。

単純バカが単純バカのクセに必死で頑張ってたら泣いてくれる人がいる。

単純バカほど人の心を癒す存在はいない。

おいメロウ、努力次第でそんなに素晴らしい人間になれるなら、下らないプライドなんて今すぐにでも棄てちまえよ!

周りの人間が全員幸せになるんだ!そのくらい楽勝だろ!

地味な努力なんて全く必要ないし、考え方一つで直ぐに出来る事。

所詮は電源スイッチをカチッと切り替えるようなものだろうよ。

長期の訓練も苦痛を伴う鍛錬も必要ない。

そう、メロウは昔から行動力だけは人一倍あったけれど、人の心という部分にちょっと鈍感でした。

ストイックな行動論に比べたら気の持ちようでどうにかなる精神論なんて、よっぽど簡単だと思っていたのです。

そしてそれが大間違いだと気付いた時、メロウは既にボロボロでした。

心を壊すまで、気持ちというモノをとても軽く考えていたのです。

心を入れ替えようとする意気込みは凄く大事だと思うのです。

本当は覚醒したい。

しかし根本的な部分は決して変わらない。

無理に変えようとしたら壊れるだけです。

だから、どんなに変わりたいと思っても、単純バカになりたいと思っても、メロウは相変わらず理屈っぽくて頑固です。

幸運にもそれに気付けた今、メロウは図々しく開き直ってます。

申し訳ないとは思いつつ、直らないならせめて他を頑張ろう、と。

変わる部分と変わらない部分の見極めって肝心。

人間って、深いのか、浅いのか。